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Susumu Mukai




Susumu Mukai
Interview (2021)
 




バックグラウンドから伺いたいのですが、若い頃、特に多感な10代の時期に夢中になったカルチャーや事柄、人物を教えてください。
映画や音楽、SF 小説です。特に『遊星からの物体X』、筒井康隆、シュールレアリズム、Hans Ruedi Giger、Prince など。あと、ベースを弾くことです。
当時の自分と現在では内面的もしくは感覚的な面でどこが大きく変わったと思いますか?
子供の時から大して変わっていないように思うけれど、完全に別人になったような気もします。きっとじわじわと変わってきたのでわからないんですね。カウンセリングを受けてみたらわかってくるのかもしれません。興味はあります。
絵はいつ頃から描き始め、当初はどのようなものを描いていましたか?
小さい頃から絵を描くのが好きでした。当初は動物や恐竜、魚などを描いていて、のちに映画などの影響でエイリアンや物体 X、ゾンビみたいなものを描くようになりました。
子供の頃は日本に住んでいたのですよね?
そうです。主に関西で暮らしていて、大阪は都会で下町、奈良は自然という環境でした。幼稚園から小学校低学年の頃は奈良に住んでいて、お寺や神社へよく遊びに行っていましたね。
当時のことで強く印象に残っている思い出はありますか?
地獄絵図や阿修羅蔵には衝撃を受けました。よく遊びに行っていたお寺に古い地獄絵図が飾ってあって、「極楽と地獄」のような絵本をもらったりもしました。そこに描かれている世界はすごく残酷で恐ろしい反面、あまりにも奇想天外すぎてちょっとコミカルでもあるような。阿修羅蔵はすごく有名ですが、顔立ちがすっとしていて手足も長く、とても綺麗な像で、よく覚えています。それから東大寺の大仏や、古墳などの古代遺跡も奈良には多く、亀石や猿石といった正体不明の岩もあって、そういうものが思い出に残っています。
そうした仏像や遺跡などはあなたの作風に通じる雰囲気があると思うのですが、子供時代を過ごした環境が影響しているのでしょうか?
そうかもしれないですね。古代遺跡などは実際に目にするとやっぱりすごいので、誰もが好きになると思います。小さい頃から自然や動物が好きでしたし、そうしたものが周りにたくさんあった環境は何かしら関係しているのかもしれません。
11 歳でイギリスに移られたそうですが、カルチャーショックは受けましたか?
カルチャーショックは受けませんでした。あえて言うなら食べ物でしょうか。子供だったからだいたい何も考えずに受け入れていたように思います。
Royal College of Art (RCA) でイラストレーションの修士課程を取得されていますが、学術や技術以外に、そこで得たもので現在の活動に活かされているものは何ですか?
いろいろな人と会ったことです。学生や先生も含め、さらにあらゆる方が講義に来ていたし、いろいろなアーティストがそれぞれに創作や自由な活動をしているのを見たことは独特な経験だったと思います。
これまでに多くのコラボレーションを行っていますが、相手は RCA 時代からの付き合いの方が多いのでしょうか?
当時からの友人も数人います。Zongamin のライヴバンドのメンバーのうち 2 人、Will Sweeney と Robert Green は RCA の同級生ですし、 Will Sweeney とはエキシビションなどで今までも多くコラボレートしました。