ベルリンと東京で会える機会は限られていても、Serge Rompza とは気づけば長い付き合いになる。多忙を極めるはずの彼だが、いつもそれを感じさせない優しく穏やかな笑顔で、時折交わすメールでも気遣いの言葉を忘れることがない。そんな彼に初めて取材したのは NODE 設立からまだ歳月の浅い時期。その短いインタビューを読み返して、彼の見解や姿勢が今とほぼ変わっていないことに驚いた。芸術に対する彼の深い造詣も相まっているのか、当時からすでに NODE のクライアントには芸術家や文化機関が多く並び、今ではその層が更に深まり、寄せられる信頼を確たるものにしている。経験も知識も成熟さを増しているはずだが、彼らは常に想定に収まらない結果を導こうと、実験的な試みを厭わず、過去の方法を顧みることをしない。「独自のスタイルを持つことは避けたい」と彼は言うが、それこそが彼らのスタイルと言えるのではないだろうか。