だけど、これもまた “自分の作品” というわけではない。自分にとって “作品” となると、戦いの末に生まれるものというか。それはガチンコの真剣勝負ですから、やっぱりすごく過酷ですし、自暴自棄になることもあれば、他にはない快感を味わったりするわけですよ。
楽しくなくても、辛くても、絵を描くことがどこまでも好きなんですね。そんな五木田さんにとって画家は天職だと感じていますか。どうでしょうね。でも、それ以外はあまり考えられないな。まだわからない部分もあるけど、たぶん、天職なんだと思います。以前、「若い頃は革靴が大好きだったから革靴職人に憧れました」とかって話したことがありましたけど、「実際やってないじゃん」って話で、結局、小さい時から得意だった絵を今も描いているだけなんです。いまだにこの先どうなるかなんて自分でもわかんないけど、もう絵を描き続けるしかない。流れに身を委ねていたら、それしかできない人間になっちゃったんで。