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これまでに多くのワークショップや講義を行なっていますが、一貫して若いデザイナーに伝えようと努めていることは何ですか? また、そうした経験を通じてあなたが得るものは何でしょうか?
交流、開放性、実験。学習は双方向で行われるものです。できれば適切な質問を投げかけ、学生たちをあらゆることにワクワクさせて、そして提言することが大切だと思います。時にはある程度の混乱があったほうがいいと思うので、僕はよく大量の参考文献を持ち込みます。バルセロナでは国際色豊かなクラスを担当していて、修士クラスには南米、ヨーロッパ、ロシア、中国などあらゆる国の生徒たちが集っています。学生たちのさまざまな物語や文化的背景を知って、それを授業の一部として取り入れるのもとても興味深いです。





2018
 
2019
 
2022
 
Workshops in Barcelona at Elisava
at the invitation of Marc Panero, Director of the Master Program
2018, 2019, 2022
graphic.elisava.net/en/

Photography by Aramis León






パンデミックを機に世界は変革を求められていますが、デザインの分野においてはどのような変化を感じていますか?
臨機応変に対応していくしかないと思います。僕らの分野で言うと、フォーマットがデジタルにシフトしていますね。スクリーンを介したコラボレーションが新たなスタンダードになり、仮想空間は予想以上の速さで存在感を増しています。僕らにできることと言えば、この 2 年の経験を逆手に取って、こうした困難な状況への対処を改善していく程度でしょうね。突然の変化にもうまく対応できるようになったのだから、この能力を未来に向けて生かしていくべきです。デザイナーにとってはパンデミックを機にシェアという課題がより重要になったと思う。外側の不確実性が増す一方で、内側の世界がどのように進化していくのかが楽しみです。
最近の日常生活について伺いたいのですが、何に楽しさを見いだしていますか?
コロナ禍の時間はルーティンで構成されていて、パンを焼く、街を散歩する、音楽を作る、読書をするなど、多くの決まりごとをこなしています。あと、展覧会にも足を運びますね。弟が初心者向けの盆栽をプレゼントしてくれたのですが、こんなにも小さな木がこれほど心を穏やかにしてくれるとは知りませんでした。
個人的な希望を含めて、今後の予定や展望を聞かせてください。
驚くほど慣れてしまったこのコロナ期間が一刻も早く終わることを願っています。そうすれば、またすぐに旅に出られますから。ヴェネチア・ビエンナーレや、できればノルウェー北部へ行って交友関係を広げたいです。妻の家族にはフィリピン出身の方もいるので、そろそろフィリピンに行きたいですし、しばらく訪れていない日本へも足を伸ばせるかもしれません。
Japan
At NODE studio in Berlin, 2016

 ベルリンで今問題となっているのがオフィスの賃料です。特に商業施設を借りるとしたら、中心部で働く文化人には手が届かないほど値上げが続いています。僕らが2018年から暮らしているのはビジネスと住宅、社会施設の複合ビルで、長期的にスタジオスペースに移動する可能性を模索しています。とにかく、2020年の最重要課題は自由を取り戻すことですね。