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音楽関連の案件を多く手掛けていますが、音楽のように目には見えないものをデザインで表現する際に心掛けていることは何ですか?
僕にとって音楽は決して見えないものではない。感情は光景よりもずっと鮮明だしね。だから僕はいつも、棚に並んだそのレコードを見た時にどんな感情を抱かせたいか、そこから始めることにしている。リスナーにはアートワークを見て、深く内省的な瞬間を味わってもらいたい。だけど、そのためにはあまり多くの回答を提示しないほうがいいんだ。素晴らしいアートは常に解釈の余地を残しているもので、その解釈の違いこそが最高の対話を引き出してくれるのだから。
コラージュ作品を多く見受けますが、表現手法としてのコラージュの魅力を教えてください。
他の取材でも話しているけど、自分の周辺の世界を理解する最も純粋な形態がコラージュなのかもしれない。アーティストとして素晴らしいセンスを持つことと、それと同じレベルの作品を作れるだけの才能を持つことの間にはグレーゾーンが存在するんだ。このことは Ira Glass も『The Gap』で触れている。10代の頃、そのグレーゾーンの奥深くでギャップを感じていた僕にとってコラージュは、インスピレーションを受けたイメージを自分のフィルターを通すことで利用できる手段だった。言うなれば、Madlib や J-Dilla がレコードを集め、サンプルを見つけてビートテープを作るようなもの。つまり僕にとってのビートテープがコラージュだと言えるんじゃないかな。