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Alexandra Kehayoglou



大規模な作品を手がけるには大きな空間やメンバーを要すると思いますが、実際はどのようなメンバーで仕事に臨んでいるのですか?
創作では 4 人のアシスタントと共に取り組んでいます。私のアイデアをサポートし、常に全力で取り組んでくれる彼らと働けることを幸運に感じています。このチームはまるでオーケストラです。時に無秩序で、時には計画的で、共に作品を作り、テキスタイルの分野を探究しようと協力し合うオーケストラです。
通常のカーペットの多くは幾何学的な模様ですが、あなたが作るカーペットは絵画的であり、丘陵や草の茂みの凹凸まで表現された作品もあります。カーペットだからこそ表現できることは何でしょうか?
カーペットで表現はできますが、これが唯一の媒体というわけではありません。この媒体を使って創作はしていますが、そこに他の要素を融合することで私のメッセージは成就します。私は執筆が好きで、文章もまたカーペットのようなものだと思っています。それらは共通してひとつの媒体で発展したものであり、ひとつのメッセージ、ひとつのコンセプト、そしてある思考に入る一瞬を明らかにしてくれるものです。
 記憶が収められている空間としてのカーペット、そして、ずっと続いてほしいと願う瞬間を閉じ込めた空間としてのカーペットが好きです。つまりカーペットはシェルターのような役割も果たし、いつでもその記憶に入り込める空間となり、そこで抱いた気持ちやアイデアを蘇らせてくれます。
 また、祈りの場としてのカーペットというコンセプトにもこの数年は影響を受けて、祈祷用ラグのシリーズを作りました。普段は目に留まらない土地の断片を描いていて、特別な美しさや雰囲気があり、作品を独特なものにしています。祈祷用のラグではこの点を強調し、そのラグが自然への供物として、また、私たちが忘れつつある土地に再び戻れる空間としての役割を果たしてほしいと思っています。