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K-Lone



レーベル創設当初は苦労もあったと思いますが、軌道に乗り始めたと実感したきっかけは何でしたか?
かなりニッチなジャンルの音楽だし、やっぱり最初は大変だったよ。委託販売のレコードは売れるか返品されるか分からないし、納品から 1 年以上経ってようやく入金されたことだってある。だから最後に出したレコードが売れるまで次のレコードを作ることすらできなかったんだ。でも、Cargo Records がディストリビューターになってくれたことでレーベルに転機が訪れた。彼らがショップと連携して、製造も管理してくれるから、僕らは音楽やアートワークのキュレーションといったコンテンツ制作だけに集中できるようになったんだ。それからはレーベルの運営が楽しくなったし、流れもよくなったと思う。
それぞれの作品で異なると思いますが、曲作りのアプローチやプロセスを教えてください。
コンピュータでの曲作りの醍醐味は何でも好きなようにできること。だから全ては気分次第。大体いつもは、どんなものを聴きたいか、どんな曲をかけたいか、それを決めることから始めている。他にも、好きなトラックをそのままコピーしてみる方法もある。不正のように思えるかもしれないけど、全く同じものになることは決してないんだ。作業を進めていくうちにあらゆる審美的判断を下すから、もとのアイデアからは遠く離れてしまうし、少なくともその過程で新しい何かに気づくことができるんだ。
2020年にリリースされたアルバム『Cape Cira』ではそれ以前の EP よりもアンビエント色が強まった印象です。初めてのアルバムとして制作時に特別に意識したことはありますか?
このアルバム制作で、僕はより多くの音楽を素早く作曲する方法を見いだしたんだ。 Olof Dreijer の『Echoes from Mamori』から強く影響を受けて、あまり捕らわれすぎずに、あんなふうにしてたくさんの音楽を作りたかった。そうやって仕上がったトラックのサウンドにまとまりがあると気づいたのは後になってからだよ。そしてタイトルを考えている時に、架空の場所に関連した名前だったら面白いと思ったんだ。