多くの作品で自然や風景を主題としていますが、その理由、また、それらの作品を通して探求していることを教えてください。必要なことだからです。また、それがこうした題材を探究する理由でもあります。私の主な目的はそうした風景の美しさや重要性に気づいて注目してもらうことでしたが、今では、このような悪夢を生み出した自分たちへの愛と慈悲の気持ちから、抗議の声を挙げるべきだと考えています。それこそが作品づくりの主な理由であって、状況に対する愛を込めた見解を共有するためでもあります。自分の作るものへの愛は、ギリシャの祖先から受け継いだものです。
現在私たちが地球に及ぼしている危害は、私たち自身に与えている害が反映されたものです。私たちが自分自身やお互いを傷つけ続けるのであれば、この状況を変えることは難しいでしょう。自分への愛、お互いへの愛、地球への愛、全ては愛に尽きます。自然は常に打ち勝つでしょう。しかし、我々は消費と所有の悪循環に陥っていて、それが自身の憎しみや自尊心の欠如を継続させていることに気づいてはいません。救われるべきなのは自然よりも我々のほうなのです。未来に何が起こるかはわかりません。けれど地球にはサイクルがあり、我々は自分自身やお互いと調和して生きる術を学ぶべきで、それが我々と地球との関わり方にも反映されるのです。
鑑賞者が直接座ったり寝転んだりできる展示方法を取った作品がいくつかありますが、そうした体験を通して鑑賞者に感じてもらいたいことは何でしょうか?目指しているのは、具現化された作品を作ることです。織物が与えるリアリティとイリュージョンの概念を私はいつも感じていて、時間とその存在または不在を表現することを目指しています。身体が自分自身を感じることのできる空間を私は作っているのです。