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Ben Vida





『Slipping Control』(2014) は、サウンドポエトリー、モジュラーシンセ、ライヴパフォーマンス、映像といった複数のメディアを横断しながら、解釈と変換のレイヤーが複雑に交錯した作品です。こうしたアプローチを取るに至った最初のきっかけは何だったのでしょうか。
『Slipping Control』は、僕にとっての移行期に手がけたプロジェクトでした。作品が音楽とファインアートの両方の文脈で発表されるようになって、その世界を行き来しながら制作することで、作品づくりの考え方を大きく解き放つことができた。最も持続的な成果となったのは、テキストを使った制作を始めたこと。『Slipping Control』におけるテキスト作曲は、その後の映像やテキストドローイングの創作へとつながり、最終的には『The Beat My Head Hit』や『Vocal Trio』、そして新作の『Oblivion Seekers』へと発展しました。僕にとってこれは、アコースティックからエレクトロニクスへの移行に匹敵するほど大きな創作における変化でした。