実は、我々があなたの作品と初めて出会ったのは Spotify の Discovery Weekly を介してでした。Spotify を含めて現在のこうした音楽環境をどのように捉えていますか?Spotify は人々が音楽を聴くことを収益化するにはベストとは言えないけれど、新しい音楽を見つけ、好きな曲を整理したり、膨大なライブラリを指先だけで操作するには最適なツールだと思う。誰かが曲を聴くたびにその作曲者にお金が支払われるのは良いことだけど、インターネットが登場して以来、デジタル音楽でお金を稼いでいる人はほとんどいないよね。だって無料で手に入るのなら、誰がそれにわざわざお金を出すと思う? Spotify のような大企業が他の人の作品から多くのお金を稼いでいるのは不公平かもしれないけれど、正直なところ、素晴らしいインターフェイスだし、音楽を見つけて消費するには気楽な方法だよね。Spotify だけじゃなく Bandcamp の成功もすごいことだよ。こうしたことは音楽学校でも勉強したけど、その時もなぜデジタルにお金を払う人がいるのだろうって思っていた。もちろん余裕さえあるならアーティストに直接支払われることがベストだと思うし、そうすれば彼らが音楽を作り続けることも、セルフリリースすることも実現しやすくなるよね。
最近音楽以外ではまっていること、もしくは注目しているシーンやアーティストを教えてください。正直に言うと、音楽以外では料理動画を見ることにほとんどの時間を費やしている。 Matty Matheson、Brad Leone、Binging with Babish の大ファンで、彼らは優れたエンターテイナーであると同時に、素晴らしいレシピと調理技術を持っているんだ。
この状況が収まって自分の好きにパーティを開催できるとしたら、どんな空間やラインナップでやりたいですか? 今のあなたにとっての夢のパーティを教えてください。当たり前だけど、巨大なサウンドシステムを備えた場所で Wisdom Teeth のパーティをやりたい、絶対にね。Bass Bin
あと、モジュラーギアを備えたシステムでのライヴセットが見事な Steevio や、Shielding にも参加してもらいたい。彼の EP はかなりアンビエントだったけど、クラブミュージックには驚くべきリズムとグルーヴがあるんだ。それから、最近素晴らしい作品をリリースしている Scotti Dee、Scratcha DVA、Karen Nyame、Roska、Apple、Teno Afrika といった UK ファンキーやアマピアーノのクルーも招きたいし、Anthony Naples のレーベルの作品も気に入っているから、 Incensio のメンバーも加わってくれたら最高だね。
今後の予定や将来的な展望を聞かせてください。今は Sweet N Tasty という別レーベルの立ち上げに着手していて、これはある種のホワイトレーベルみたいな感じ。 UK ガラージや Footwork といったクラブ向け EP のリリースを予定していて、新たなアルバムの制作も進めている。Wisdom Teeth でもエキサイティングなラインナップが揃っていて、先日リリースした Iglew の新作や Sputnik One のクラブ向けの EP も予定しているよ。