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K-Lone



実は、我々があなたの作品と初めて出会ったのは Spotify の Discovery Weekly を介してでした。Spotify を含めて現在のこうした音楽環境をどのように捉えていますか?
Spotify は人々が音楽を聴くことを収益化するにはベストとは言えないけれど、新しい音楽を見つけ、好きな曲を整理したり、膨大なライブラリを指先だけで操作するには最適なツールだと思う。誰かが曲を聴くたびにその作曲者にお金が支払われるのは良いことだけど、インターネットが登場して以来、デジタル音楽でお金を稼いでいる人はほとんどいないよね。だって無料で手に入るのなら、誰がそれにわざわざお金を出すと思う? Spotify のような大企業が他の人の作品から多くのお金を稼いでいるのは不公平かもしれないけれど、正直なところ、素晴らしいインターフェイスだし、音楽を見つけて消費するには気楽な方法だよね。Spotify だけじゃなく Bandcamp の成功もすごいことだよ。こうしたことは音楽学校でも勉強したけど、その時もなぜデジタルにお金を払う人がいるのだろうって思っていた。もちろん余裕さえあるならアーティストに直接支払われることがベストだと思うし、そうすれば彼らが音楽を作り続けることも、セルフリリースすることも実現しやすくなるよね。
最近音楽以外ではまっていること、もしくは注目しているシーンやアーティストを教えてください。
正直に言うと、音楽以外では料理動画を見ることにほとんどの時間を費やしている。 Matty MathesonBrad LeoneBinging with Babish の大ファンで、彼らは優れたエンターテイナーであると同時に、素晴らしいレシピと調理技術を持っているんだ。
この状況が収まって自分の好きにパーティを開催できるとしたら、どんな空間やラインナップでやりたいですか? 今のあなたにとっての夢のパーティを教えてください。
当たり前だけど、巨大なサウンドシステムを備えた場所で Wisdom Teeth のパーティをやりたい、絶対にね。Bass Bin (低音用の大型スピーカー) の振動を最後に感じてから随分と月日が経ったように思う。パンデミック以前にプレイしたライヴの大半は少し小さな会場で、いいシステムだったけど低音域が最大ではなかったと思うし、そうしたシステムはプレイに影響を与えるんだ。音楽が希薄になってしまうサウンドシステムが多いけれど、しっかりとしたシステムでないと音楽を完全に変換することはできないんだ。そこに僕が音楽に夢中になった理由があるのかもしれない。イギリスではそうしたサウンドを体感できる場所は少ないように思う。人口密度の高い都市で大音量の音楽を流すにはライセンスの取得が必要で、そのことが関係しているんだろうね。パンデミックが起こる前には Iration SteppasSub Dub といった音響システムに焦点を当てたイベントがいくつかあって、僕の直近の記憶としては V.I.V.E.K のシステムのパーティかな。何年も続いているパーティで、DMZ のような昔のダブステップナイトのヴァイブとエナジーを維持しつつ、彼の独自性も打ち出しているからすごいよね。なにしろ僕もそういうヴァイブで Piezo や Parris、AYA (fka LOFT)、Duckett、Lurka といった  Wisdom Teeth からリリースしたアーティストたちと一緒に企画したい。



あと、モジュラーギアを備えたシステムでのライヴセットが見事な Steevio や、Shielding にも参加してもらいたい。彼の EP はかなりアンビエントだったけど、クラブミュージックには驚くべきリズムとグルーヴがあるんだ。それから、最近素晴らしい作品をリリースしている Scotti DeeScratcha DVAKaren NyameRoskaAppleTeno Afrika といった UK ファンキーやアマピアーノのクルーも招きたいし、Anthony Naples のレーベルの作品も気に入っているから、 Incensio のメンバーも加わってくれたら最高だね。
今後の予定や将来的な展望を聞かせてください。
今は Sweet N Tasty という別レーベルの立ち上げに着手していて、これはある種のホワイトレーベルみたいな感じ。 UK ガラージや Footwork といったクラブ向け EP  のリリースを予定していて、新たなアルバムの制作も進めている。Wisdom Teeth でもエキサイティングなラインナップが揃っていて、先日リリースした Iglew の新作や Sputnik One のクラブ向けの EP も予定しているよ。