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Madalyn Merkey





レコーディングとは異なる、ライヴの醍醐味を教えてください。
ライヴ活動を始めた当初は「失敗するかもしれない」ということにワクワクしていて、ひとつでも音が出せればパフォーマーとしては成功なのだと自分に言い聞かせていました。でも実際には、演奏後に観客から反応や質問をもらうことが一番の楽しみですね。ツアー中は孤独になりがちですが、わずかなコミュニケーションさえあれば共通の経験を強固なものにすることができます。けれど、何よりも素晴らしいのは、独特の音響効果やマルチチャンネルスピーカーの特殊な配列など、ユニークなパフォーマンス空間です。特定の空間のためにコンピュータプログラムをデザインするのは本当に楽しくて、その魅力は計り知れません。
全ての作品を通して一貫した「自分らしさ」があるとすれば、それはどのようなものでしょうか?
伝統的な音楽の目的以外では、それぞれの人が耳を傾けて、自らと向き合うスペースを提供できる作品を目指しています。作品を構想する際に意識しているのは、それがグループであったとしても、一人一人が個々の観点で受け止められること。人との内的な繋がりを心から願っています。
現在目指していることや今後挑戦したいことを聞かせてください。
新しいスペースにスタジオを再建し、新たな家具を組み立て、集めた機材を繋ぎ合わせることが今の目標です。これは個人的な話ですが、昼間の仕事を辞めてパートナーの出張に同行したので、人生の岐路に立っています。会社ではなく自分のためのクリエイティヴに全力を尽くす、そうした環境に身を置いたことが精神的にも最大の変化になると思います。 Ambisonic のサウンドシステムを備えたパフォーマンス空間をさらに追求し、作品づくりに没頭したいと思っています。今後の予定としては、『Puzzle Music』という新しい LP が年末までに Mana Records からイギリスで発売されます。このアルバムは、2012年に発表した初アルバム『Scent』と同じく、アナログシステムに回帰した作品です。