Goro さんとはその後の2002年に Kaoru Inoue、KND と共に Final Drop を結成していますね。
当時ヒップホップが中心の DJ を続けてきて、そこから派生したものなんかを掘り下げて黒人の文化的なことを理解すればするほど「ここからはノリだけではやりたくないな」って思ったんだ。同世代的にも Respect もあって「同じやり方をしたくないな」って思っていたし、だったらもっと DJ として、さらに言うと「自分のルーツやアイデンティティを探求する必要があるな」って。そのことにヒップホップを通じて気づかされた頃に、自然の中での感覚を共有したのが Final Drop だったんだ。屋久島に行ったら自然がすごすぎて、自分の小ささを実感したし、「コミュニティっていう狭い世界にフォーカスし過ぎていたな」って思えた。そしてそこから、屋久島で録音した音を使って感覚を音に変換していくっていう Final Drop に繋がったんですよね。メンバーは他にも Rammellzee のメンタルパートナーでもあった ICHIKO ちゃん（Third eye winks） や映像作家の明鏡止水、カメラマンの GIN 君やその後名物バーテンダーになったハルカとか、音楽以外にもいたよ。 “木を見て森を見ず” みたいな客観的な視点で音を作る感覚を、当時の Goro さんから教えてもらったりしたんだ。彼は一人で渋谷駅前で何年もライヴしていたんだよ。