| English | Japanese |
Stefano Pilati



あなたにとって自分や自身の仕事に誠実であることはいかに重要なのかが伝わってきました。しかし、時に誰もが自分と向き合い、正直でいるのがとても困難になることもあります。あなたもこれまでに自分を見失い、自分で自分の本心がわからなくなるような経験をしたことはありますか?
人々の期待に応えようとするたびに私は自分を見失いました。企業社会の下でプレッシャーを抱えながら従事することは、自分の担う責任には「ゲームのルール」の習得すらも含まれるのだという認識を与えます。完全なる創造的自由というのは、私のようなクリエイティヴな人間が、良し悪しを問わず、他の人々の判断や認識に任せざるを得ないと容認したうえで成し遂げられるもの。つまり、作り手ではなく受け手側がアーティストなのです。
ファッションや衣服は人が纏ってこそ成立するものです。だからこそ、ファッションデザイナーのみに許された表現、もしくは、ファッションデザイナーだけができる表現があるとすれば、それは何だと思いますか?
誰もが自身のベストな状態を味わい、それを学ぶべきです。自分を愛して尊重するために役立つ服を提案しサポートすべく、ファッションデザイナーとしての私は存在しています。ですから、私にとってそれらに大した違いはありません。
ファッションは時代を映しながら変化していくものと言われますが、ファッションデザイナーとして「現在」という時代をどのように捉えていますか?
自分の周りで起きていることを感じずにはいられません。消費主義からの意識的な離脱、形だけの平等主義、有害なプロパガンダなど、自分の時代やファッションに対してシニカルな態度を避けることは覚えましたが、それは努力あってのものです。