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Ai(ハク。)





来春には東名阪のクワトロワンマンツアーを予定していますが、どんな意味を持つツアーになると?
クアトロツアーは初めてなので、新しいものに触れるっていうワクワクとドキドキがあるんですけど、一番はやっぱり楽しんでやりたいなって。それが今の純粋な気持ちです。今までのワンマンとかハク。の日のライヴとかでは、「しっかりハク。を届けよう」とか「ちゃんとしなきゃ」みたいな気持ちが大半を占めていて、自分らしいパフォーマンスができなかったり、楽しいって気持ちを忘れちゃいそうな時期もあって。やっぱり楽しくできるのが一番大切やなって今は思っていますね。
制作中やライヴが続く時期など、葛藤や不安と向き合うこともあると思います。これまではそれをどう乗り越えてきましたか。あまり気にしないとか?
めっちゃ気にしていましたね。「なんでできないんだろう」って悩んだり、それが曲になったこともあったし。「なんで楽しくないと思ったのか」とか、曲の完成度についてとか、メンバー 4 人でいろいろと話し合うことも多かったし。
それはいつ頃?
結構最近のことで、 1 年前とか。
すごく忙しくなってきた時期ですよね。
忙しくなってきた時期ほどライヴの本数も増えて、もちろんライヴは毎回違っていいと思うけど、そのなかで毎回違う良さやハク。らしさがある時と、やっぱりちょっとこぼしちゃう時もあって。そういう時期に「全部を取りこぼさないようにするには、どうしたらいいのか」みたいなこともメンバーと話し合って。それで解決することもあれば、自分と向き合うことで気づくこともあって。私はひとりでもたくさん考えたし、それで結局「成長しなきゃ」って思ったりして。
楽しく感じられなかった要因は何だったのでしょうか。
うーん。ひとりひとりが曲を理解することも大事だけど、メンバー 4 人全員が共通で理解度を深めるほど、 1 曲を演奏するのも楽しくなったと思います。それで、それを 4 人だけで留めず、お客さんにも伝えていこうって、「そのためにはどうすればいいのか」っていうポジティヴな話に変わっていって、そうしたらどんどん楽しくなっていきました。
 4 人で曲の理解度を深めていくためにはどんな作業を? やっぱり演奏を重ねながら?
何回も演奏をして気づくこともあれば、私が「ここはこういう感じで弾いてほしい」とか、「ここのコーラスは、できれば息を途切れない感じで、アンドロイドみたいに歌ってほしい」とか、そういうことを伝えることもあって。あとは「この場面はドラムが引っ張ってもらったほうが」とか、「このなずなソロはもっと出たほうがいいから、出るっていうなずなの意識も大切やし、うちらも後ろからぐっと押してあげたほうがいいよね」とか、  “誰がどう出る”  みたいな話とかを結構しますね。
あいさんがディレクションするのですね。
最初のデモやレコーディングの時は私の意見が多いんですけど、完成後のリハスタの時とかは、ベースのかのとかも結構意見を出してくれるし、みんなで話し合うことが増えて、「たった二拍のスネアだけど、ここ大事やな!」とか、そういう会話ができるようになって。そうやって曲を大切にできるっていうのが楽しさに繋がる気がします。
あいさんが楽曲ごとに思い描いているイメージや景色は、言葉で伝えて共有する?
そういうこともあります。でも、今までは「どんな気持ちで書いたの?」とか「これってどういうイメージ?」みたいに聞かれることが結構多かったんですけど、なんか最近はみんな聞かなくなってきて。
伝えなくてもわかるように?
そうかもしれないし、実際、かのが「自分で考える面白さもあるよ」って言っていて。「ああ、そういうのもあるんや」って思いましたね。
先ほど挙がった「無題」など、それぞれの楽曲には作った当時の気持ちが込められていると思いますが、ライヴでそういう曲を歌う時は、当時の感覚がよみがえるのか、それとも新しい感覚で向き合うのか?
私は楽曲によりますね。高校生の時に作った「ブルーガール」とかは、今の歌い回しのほうがちょっとかっこいいなって思うんですけど、同じく高校時代に作った「本物」っていう曲は、歌うとやっぱり当時のことを思い出すし、今の歌い方にあんまり変えたくないなって。当時の歌い方が特別すごかったわけじゃないけど、一番純粋だし、ある意味で強い感じがして。だから、やっぱり曲によって違いますね。
キュンとする話ですね。
なんか、本当にいろんな感情があります。これだけ続けてきたからこそ気づくことも多くて、正直、 3、4 年目の時なんかは、こんな気持ちは全然わかんなかったし。