こうしてあなたの作品を追っていくと、深みだけでなく広がりも増しているように感じます。自身にとってターニングポイントだったと思う作品や出来事を教えてください。
“Cousin” として音楽制作を始めたことは、間違いなく僕のキャリアにおける重要な転機になりました。それによって、自分自身を自由に表現し、自分のやりたいことを追求できるようになったと感じています。
以前取材した DJ 兼音楽プロデューサーが「基準として自分が DJ としてプレイしたいと思う音楽を作っている」と話していましたが、あなたはいかがでしょうか。DJ またはプロデューサーとして音楽の捉え方にどのような違いを感じていますか。
どちらに重点を置くかは人によって異なりますが、僕は DJ と制作の両方を大切にしています。ただ、自分の楽曲を DJ のツールとして作ったことはほとんどありません。いつかはやってみたいと思っているけれど、実際のところ、自分のトラックをクラブでプレイするのは苦労します。他の人の音楽ならその文脈や構成を考えるのがずっと簡単なのですが、自分の曲となるとそれが難しくて、シーケンスに組み込むのが苦手なんです。
あなたの音楽には視覚的なイメージを想起させる要素がありますが、音楽を制作する際に視覚的なインスピレーションを得ることはありますか。
素晴らしいですね。あなたにはどんなイメージが浮かびますか? そうですね、例えば、お風呂に入ったり、風で木々が揺れる様子を眺めたり、他の人にとっては日常的で平凡な体験からインスピレーションを得ることがよくあります。
DJ プレイにおいて直感はどれくらい重要ですか。その直感が最も冴えるのはどんな時ですか。
環境に共感することを大切にしています。心が穏やかでリラックスしている時は直感が特に冴え渡ります。ただ、その状態に辿り着くのはそう簡単なことではありません。