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Susumu Mukai





このアニメーション作品は NFT に出品していますよね。そうしたデジタルアートやクリプトアートの分野にも関心があるのでしょうか?
Zongamin の『O! Versions』の EP リリース用に作ってもらったこのアニメーションビデオがちょうど NFT に向いているんじゃないかと、レーベルの Multi Culti と話したのがきっかけです。 NFT のアイデアは面白いと思っていて関心はあるけれど、最近はどういうことが起こっているのか、あまり注意は払っていません。
 NFT は日本ではまださほど一般的ではないように感じますが、ヨーロッパで NFT の概念は結構浸透しているのでしょうか?
昨年あたりはニュースで取り上げられたり、サザビーズなどのオークションハウスが取り扱って話題になっていました。環境問題も含め賛否両論あって盛り上がっていましたが、最近はそこまで表沙汰にニュースにはなっていない印象です。そのシーンは相変わらずあると思いますが。誰でもコピーペーストで所有できてしまうメディアのものにあえて価値を与え、有名なコレクターが買うとその価値が上がるなど、転売される度に所有者の記録が刻まれていくというファインアートの世界のようなコンセプトだったと思います。作品も 1 ピクセルだけだとか、狐につままれたようなアイデアのものもあって、音楽コンサートを NFT でオークションするなど、いろいろな人がアイデアを投げつけて、何がくっついて残っていくのか、そんな印象でした。
音楽はデジタル配信が主流化していますが、現状のままでは音楽だけで生計を立てるのは困難になると感じますか?
パンデミック以前は音楽フェスティバルが多すぎると感じるほど、すごく増えていました。それはデジタルストリーミングなどで音楽家が録音作品から収入を得るのが難しくなった反動からそういう方向へ発展したのだと思います。けれど、今度はパンデミックでフェスティバルも難しくなってしまった。これからのフェスティバルやライヴコンサートは、一部の大規模なメガイベントを除き、もっとローカルで小さな形になっていくのかもしれません。NFTみたいな展開もあり得るかもしれないですね。