プロジェクトにあたる際は何から始めますか。そして、実際の制作過程で迷いや困難と直面した時はどのように乗り越えていますか。
2020年にはスタジオの10年間を記録したモノグラフ『Not Dead or Famous Enough Yet』を自らの出版部門である Waiting Room Press からリリースしています。自分たちの作品や活動を自ら集約したことで、自身の変遷をどのように捉えましたか。また、そこで見いだした次なる課題はありましたか?



そして、それから10年経った頃、パンデミックの影響で例年よりも少し時間に余裕があることに気づき、その目標を叶えることにしたんだ。僕らが構築してきたこのスタジオの10年間を初めてひとつにまとめ、印刷物という形にする行為は、まるでクローゼットを整理する感覚だった。一旦白紙に戻して「さあ、次はどうするんだ」といった感じで、スタジオを前進させ、さらに良い作品を作っていこうという意欲がむしろ強くなった。ちなみに、2014年のリストには「日本で展覧会を開催する」という項目があって、今回のインタビューはそれに近いものを感じているよ。
ME イギリスの最初のロックダウンの真っ最中で、仕事量も少なかったから、この本を作るにはいいタイミングだったんだ。とはいえ、結構大変な作業で、主に精神的なものだけど、時にはスタジオの年月を考古学的に掘り起こすなんて物理的な苦労もあったよ。