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Tomoo Gokita





「何人くらい来てくれるのかな」なんて思っていたら、そのギャラリーのオーナーの人脈がすごかったみたいで、オープニングには入りきれないくらいの人が集まっちゃって。階段に出来た行列を見て「これって俺たちのショーのために並んでいるの?」と驚いちゃった。そうしたら後日、NY のアーティストがこぞって出たがる『The New York Times』のアート欄に、なんと僕の作品がいきなり掲載されて。
オープニングに『The New York Times』の記者がいらしていた?
そうなんですよ。Roberta Smith という結構有名な記者の方だったみたいで。正直、それまではアート業界なんて全く知らなかったから、事の重大さも全く理解できていなくて。だけど、それを機にアート関係の人からがんがんお誘いの声が掛かるように。
夢のような話ですね!
やばいでしょ。それまでは職業もよくわかんないまま DJ とかやって遊んでいた人間がですよ、突然いろんなギャラリーの人たちから名刺を差し出されて「話がしたいから一度ギャラリーに来てほしい」と。 NY で僕を泊めてくれた Peter っていう日本語堪能な友達に相談して、名刺の中から 3 つか 4 つのギャラリーと会うことにして。どのギャラリストも小綺麗な身なりだったけど、最後に会った奴だけがなぜか街角での待ち合わせで、髭モジャのロン毛の短パン姿でスケボーに乗って現れて、いきなり「飲みに行こう!」って。「こいつ面白えな」と直感して、連絡先を交換したのが ATM GalleryBill (Brady) だった。それで同年にその ATM Gallery でグループ展、翌年には個展をやることになったわけです。