| English | Japanese |
Tomoo Gokita
イラストレーターとして多くの絵を描いてきたけれど、それ以降はアーティストとしての作品を求められるようになったのですね。
そうなんですよ。高校生の時に現代美術に対する憧れみたいなものを抱いたけど、やっぱり「現代美術の下がイラストレーション」っていう上位概念があった。そんな僕に  “アート”  というものを気づかせてくれたのが、キュレーターであり編集者でもある河内タカさん。彼も以前はNYで画家を目指していた人だから、見る目が結構厳しいんです。だけど、 NY での初展示の時は「めちゃくちゃいいよ!」と褒めてくれた。それで次にタカさんのキュレーションで日本人作家 3 人展(「Remarkable Hands」2005年)を ATM Gallery でやることになった時、前回の展示があまりに評判よかったんで、その第二弾のような作品を出したんです。そうしたらタカさんが「すごくいいんだけど、前と変わらないじゃん。アートっていうのはやっぱり見た時に驚きがないと。なんかちょっとガッカリしたよ」とか言うわけ。俺は「そうすか」とか言いながらも、実は結構グサっときていて。その時点で次の NY 初個展(「Drunko」2006年)が決まっていたから、「よし。次はガラッと変えてペインティングにしよう!」とキャンバスに描くことにしたんです。