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Kosuke Okahara





2013年に Comme des Garçons のショーを撮影されましたが、ファッションというクリエイティヴの世界をどのように感じましたか?
ずっとパリに住んでいましたが、ランウェイのショーを実際に拝見したのは初めてでした。ファッションの撮影というよりはコレクションの 1 日を撮影しただけで、素直な感想としては、ファッションショーというものはとても重労働で大変なものだなと。月日をかけて用意をして、当日も早朝から準備が始まるのに、ショーは10分程度、一瞬で終わってしまう。だからこそ、関わる人全てのエネルギーが短時間で爆発するような印象を受けました。それがうまく爆発するショーもあれば、全く爆発しないショーもあるのだと思いますが、 CDG のショーはとても面白かったです。そのシーズンのテーマが「モンスター」だったこともあって、会場やモデルさんたちの雰囲気もどこか異質で、独特なものすごいエネルギーを感じました。
撮影の際はどのような姿勢で臨みましたか?
撮影の前日、川久保玲さんにお会いした際に「激しさを表現したい。あとはお任せします」ということを言われました。その「激しさ」というイメージと自分がいつも考えている「存在」を写真に表現しようと思って必死に撮影しました。依頼された仕事を自分の作品のように撮れる機会というのはなかなか貴重で、撮影は 1 日でしたが、その後暗室に入って10日ほどかけてプリントを作り、自分の血肉になるような仕事ができたと思います。
写真の選定も岡原さんが?
そうです。最初はベタ焼きを希望されたのでお渡ししたのですが、結局「やっぱり選ぶまでが作家さんの作品だから、お任せします」と返されました。このプロジェクトのようにひとつのイメージだけを伝えていただけるほうが撮影に集中できるし、やりがいを感じます。逆に、そうでなければ作家としての世界観を成り立たせるのは難しい。そういう意味でもすごく良い仕事をいただけたと思います。