視覚的表現において一貫して追求しているものは何でしょうか。また、アーティストとして大切にしているモットーがあれば教えてください。
自分の作品では特に、時代を超越した感覚を目指したいと思っている。それは、絵画だけに限らず、あらゆる芸術の分野において僕の好きな作品の多くから感じるクオリティで、今現在意義があるだけでなく、50年後や100年後にも通用する作品を生みだしたい。モットーについては「自己満足に浸らず、クリエイティヴの定型にも捕らわれるな」という、美術学校の講師から受けたアドバイスが強く印象に残っている。
アーティストとしての成長や変化を自身ではどのように捉えていますか。知名度や経験値が向上したことで実現可能になった表現やアイデアはありますか?
年齢を重ねるうちに目的意識が明確になってきたから、創作時のそれぞれの判断やアイデアにはしっかりとした根拠を持つよう心がけている。自分のクリエイションに関して言えば、知名度の高さがチャンスに繋がることもあれば妨げになることもあった。ただ、この魔法のような幸運が燃え尽きてしまわないよう、僕はあえてゆっくりと着実に始めることを選んだ。そして今は自分が楽しめることを優先しているんだ。
今後挑戦したいことを含め、展望を聞かせてください。
今はローマ歌劇場で上演予定の、Benjamin Pech の振り付けによる新作バレエ『La Bayadere』のセットと衣装の制作に取り組んでいる。これが終わったら展覧会に向けた新作の創作に集中したいと思っているんだ。あと、ヨーロッパ以外の国でも仕事をしてみたいと思っていて、日本もその有力な選択肢のひとつだよ。