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Tomoo Gokita





 今は高円寺にある変わったレコード屋「Los Apson?」が西新宿にあった頃、店内で宇川直宏さんとかが個展をやったりしていて、俺にも「個展やってよ」と話が来て。それで「ちょうどレコードの作品があるから」って、商品の本物のレコードの中にこの作品を混ぜて置いたんです。レコードを買いに来た人が見つけて「何これ?」ってなる謎の展覧会(笑)。このシリーズは基本的に売らない方針ですけど、その時だけは販売して。一応オリジナル作品だから当時としては高値の 2 万円とか 3 万円とか付けたけど、結構売れましたね。
 だけど、「PEEKABOO」の時にこれを出したいと言ったら、「美術作品として出展するのですか?」と美術館側に難色を示されてしまって、交渉するのがちょっと大変だったんです(苦笑)
シリーズ作で言うと、2022年の個展「Diary」では160点以上に及ぶ一連のカラードローイング作品を発表していますね。
あの頃はコロナ禍で暇だったんで、日記のようにその日その日に感じたことを描いていたんです。そうしたら『美術手帖』から「特集を組みたい」という依頼が来て、発表するつもりもなくただ試しに描いていたようなもので、作風もバラバラだったから、ここでも一度は断ったんです。だけど説得されて、さらにその特集に合わせてタカ・イシイでも「個展をやりましょう」「本も出しましょう」という話になって。「じゃあ、そうしましょうか」と周囲に流された感じでしたね。