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Tomoo Gokita





それでしばらく白黒が続いたんですけど、さすがにもう限界が来ましたね。
モノクロからカラーにするとツールや描き方なども変わると思いますが、すぐに描けるものですか。
突然違う楽器を弾くみたいな感じで「あれ、こんなに難しかったっけ」ってなりましたけど、 2 日間くらいで戻りましたね。やっぱり感覚は覚えているもんだなって。
色を使うことは難しくないですか。
まあ、難しいですよ。例えば、黄色にたった 1 mm だけ黒を載せるとか、ほんのちょっとで全く変わっちゃうので。あと、色の配合も難しい。だけど、表現の幅という意味ではカラーのほうが楽な部分もあります。やっぱり色は強いから。モノクロはどこまでいっても白と黒だけなので、さっきは「飽きちゃった」と言いましたけど、言い換えれば「もうこれ以上は発展できない」という限度に達した感じでしたね。
モノクロ作品の時は古い雑誌や写真を題材にしていたのが、カラー作品になってからは自身の記憶や経験をリソースにしているそうですが。
そう。白黒時代は基本的に元ネタがあったんです。だいたい古い雑誌で、半分くらいはメキシコで買ってきた雑誌から気に入ったものやピンと来たものを切り貼りしておいて。お見せしちゃいますけど、これは作品ではなくて、ネタ帳というか、いわゆるスクラップブックですね。