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Nigh Magazine
2025.6.13 update









LA MUSEUM

SHIBUYA


: Where Fashion Holds Aesthetic Thought








衣服に宿る美意識と、その気配に触れる2週間。LAILA運営の「LA MUSEUM」によるフィジカルエキシビション『LA MUSEUM SHIBUYA』が、 6 月14日より渋谷で開催。約50体のアーカイヴピースが実物展示される。





LAILA が運営するオンラインミュージアム「LA MUSEUM」が、東京・渋谷にてフィジカルエキシビション『LA MUSEUM SHIBUYA』を開催する。

ファッション史に刻まれたさまざまな衣服やそこに宿る美意識を、確かな審美眼で読み解き、汲みあげ、次の感性へと提案していく。2002年に創業した LAILA は、そうした姿勢のもと、世界各地のメゾンヴィンテージをしなやかな感性で収集・保存し、時代やトレンドにとらわれないかたちでファッションを伝えてきた。

2013年に渋谷の裏通りにオープンした「LAILA TOKIO」では、Helmut Lang、Raf Simons、Maison Martin Margiela、BLESS などのアーカイヴを軸に、既存の文脈を軽やかにずらす詩的な編集がなされ、国内外の感度の高いファッションラヴァーたちを惹きつけた。またその空間は、昭和中期の日本家屋をアーティスト・木村浩一郎の手によって再構築した、看板のない白い建物。8000個のピラミッドピースや 1 トン超のガラスコンクリートを用いた店内は、衣服と対話するための建築であり、LAILA という存在の思想を象徴するひとつの器でもあった。しかし、建物の老朽化により、渋谷の実店舗での展開は2024年に一区切りを迎えることに。

以降もアポイント制での営業を継続する一方で、LAILA はその以前から、オンラインミュージアム「LA MUSEUM」の準備を進めてきた。同年 7 月にはその構想が結実し、活動がひらかれていく。世界中のコレクターと連携し、数万点に及ぶアーカイヴを 3D スキャンでデータ化。衣服の構造や縫製のディテールまでを立体的に記録・公開する試みによって、ファッションを  “鑑賞する”  というまなざしで、衣服の内に息づく創造と芸術性に光をあて、その価値を現代に浮かび上がらせながら、未来の感性へと繋いでいる。





 
LA MUSEUM
Image Movie
2024

LA MUSEUM(ラ・ミュージアム)は、これまでに発表されてきた様々な衣服をオンライン上で展示するミュージアムです。第二次世界大戦後、あらゆる生活様式や文化とともに変容を続けてきた衣服、そしてファッション。展示毎のテーマに則ってそれらをキュレーションし、オンライン上で展示致します。デジタルデバイスと通信環境さえ整えば、誰でもどこでもそれらを容易に鑑賞できるのです。本ミュージアムプロジェクトの発起人であり運営母体でもある LAILA(ライラ)、そして世界中のコレクターたちが所蔵する数万点にも及ぶ衣服や装飾品を 3D 技術を用いて撮影、データ化し、全世界の人たちに向けて公開していきます。全ての展示品は360度の角度から鑑賞できるだけでなく、細かいステッチ一つ一つに至るまで観ることが可能です。ファッション愛好家はもちろん、美術館鑑賞を愛する人々に向けて新しい芸術鑑賞の形を定義していきます。ファッションのデジタルデータベースとも言うべき LA MUSEUM は、現役のファッションデザイナーたちにとっても貴重なインスピレーション源の宝庫となるだけでなく、後世を担うファッション学生、アート学生たちにとっても革新的な研究資料室となることは間違いありません。大学や専門学校と提携し、学生たちを展覧会へ無料招待するプログラムも予定しています。また NFT を活用し、ファッションのプロたちを招聘したツアー、図録の制作など、展覧会毎のスペシャルプロジェクトも行っていきます。コマーシャリズムに乗っ取られつつある現代ファッションにおいて、LA MUSEUM では「Art of Fashion」に着目し続けます。人間がこの手で生み出し続けてきた衣服に宿る芸術性、創造性、クラフツマンシップを後世に伝承していくことを主たる目的とし、ファッションデザインの未来をより有意義で、価値あるものへと導くべく、ファッション界のみならず、人間社会へと貢献していくことを目指します。

www.la-museum.com
 






そして今年 5 月31日には、長野の森に佇む建築「Villa in the Forest」にて、完全招待制・ 1 日限定の初の『Margiela at Villa in the Forest』を開催。Maison Martin Margielaの1989年〜1999年のアーカイヴピース12点や、実際の制作スケッチ、記録映像などが展示されたその時間は、ごく限られた来場者だけが体験できる静謐な記憶となった。




 
   Margiela at Villa in the Forest
   Photo by Takashi Homma
 




その流れを受けて、LA MUSEUM としては 2 度目となるフィジカルエキシビション『LA MUSEUM SHIBUYA』が、6 月14日から29日までの約 2 週間、渋谷の特設スペースにて開催される。今回の展示では、オンラインで公開中の『1950s–2010s Part 2 History of Modern Fashion Design』より、約50体のアーカイヴピースを実物展示。パンク黎明期の Vivienne Westwood や Malcolm McLaren、日本のファッションを世界に押し上げた三宅一生、川久保玲、山本耀司、ベルギーの Martin Margiela、そして Helmut Lang、John Galliano、Alexander McQueen らによる、20世紀後半のファッションをかたちづくった数々のルックが並ぶ。









加えて、1989年に青木正一が撮影したMaison Martin Margiela 1990年春夏コレクションのドキュメンタリー写真をスライド上映。さらに、2006年にパリ・グランパレでの展覧会『La Force de l’Art』のために制作された、Margielaによる215枚の写真インスタレーション作品も、日本で初めて公開される。









LAILA が衣服を通じて紡いできた提案の集積をリアルな空間で体験できるとともに、貴重なアーカイヴ作品のひとつひとつと実際に対峙し、その気配を身体感覚で受け取ることのできる今回の展覧会。ファッションに関わる人々はもちろん、アートや文化に関心を寄せる多くの人にとっても、かけがえのない機会となるはずだ。









Overview

LA MUSEUM SHIBUYA
会 期:2025年 6 月14日)〜29日(日)
時 間:12:00-19:00
会 場:LA MUSEUM SHIBUYA 特設スペース
    渋谷区2-12-24 東建・長井ビルB1F
入場料:無料
*来場前に LA MUSEUM アプリをダウンロードのうえ、スマートフォン上の同画面を入場時に提示


LAILA TOKIO
laila-tokio.com

LA MUSEUM
www.la-museum.com










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