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Update: 8th Apr. 2024




Seana Gavin:
Hidden Tracks
- A Decade of Free Parties










1990年代、アシッドハウスの過剰な商業化への反発としてイギリスで発生したフリーパーティ・ムーヴメント。1992年に Malvern Hills で行われた Castlemorton Festival はその象徴と言われ、大物アーティストが勢揃いする高価な野外レイヴとは異なり、違法かつ無料で行なわれた自然発生的なフェスティバルだった。いくつものサウンドシステムが持ち寄られて設置され、携帯電話もインターネットもさほど普及していなかった時代にクチコミによって 2 万〜 5 万人が集まり、警察によって中断されるまでパーティは 1 週間ほど続いた。

まだ10代だった Seana Gavin がこのサブカルチャーに加わったのはその翌年。以降2003年までの10年間、彼女は友人のトレーラーハウスでサウンドシステムと共に旅をし、流浪のコミュニティで生活をしながら、ヨーロッパ各国のレイヴやパーティに参加している。

「単なる夜遊びではなかった。私は写真家でもジャーナリストでもなく、この世界の一員であり、彼らは私の家族だった。私たちに物欲はなく、最小限の資金で制限なく生き延びたのです」。








4月10日から28日にかけてロンドンの Gallery46 で開催される『Hidden Tracks: A decade of free parties』では、Gavin の個人的な記録であるフライヤーや日記と共に、このシーンを定義した人物や友人たちを含め、レイヴの盛り上がりと余波を捉えた多くの写真が展示される。つまりこれは、極めてアンダーグラウンドなシーンを形成した人々やクリエイティヴィティ、そしてオルタナティヴな生き様のドキュメントであり、コミュニティと自由という理念を示す展覧会と言えるだろう。



Seana Gavin

Camberwell College of Art を卒業。パリの galeriepcp (2019年)、ロンドンの Celestine Eleven (2014年) や B Store (2011年) で個展を開催。彼女の作品は The Nobel Prize Museum、Somerset House、Fundacao de Serralves、Walker Art Gallery、Wellcome Collection、New York’s The Hole、および2019年の Saatchi Gallery での「Sweet Harmony: Rave Today」を含む国際的な美術館や機関でのグループ展に出展されている。

IDEA booksから2020年に出版された作品集『Spiralled』は「Art Review」誌の “Work of the Week” に選出。また、彼女のポートフォリオは Gestalten から2020年出版の「The Age of Collage 3」に収録されている。さらに、Mark Angelo Harrison による Spiral Tribe のドキュメント「A Darker Electricity」の序文も担当している。





 

Seana Gavin: Hidden Tracks - A Decade of Free Parties
会期:2024年4月10日(水)〜28日(日)
会場:Gallery46
   46 Ashfield St, London E1 2AJ
   www.gallery46.co.uk
   @gallery46whitechapel


Seana Gavin 
Spiralled (3rd Edition)

Published by IDEA
www.ideanow.online/spiralled2023
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