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Ignasi Monreal (1/2)


あらゆるメディアを通して私たちの目には日々、幾多のファッションヴィジュアルが入ってくる。次々と刷新されるそれらのいくつかに少しばかり気持ちが華やいだとしても、大抵はすぐに忘れるものだ。しかし、 Ignasi Monreal の描いた絵はそう容易にはいかない。目にした途端に好奇心をぐっと掴まれて、その中にあるはずの秘密や暗示を探ろうとしてしまう。中毒性すら感じるこの魅惑の正体は何なのだろうか。写真とまがうほどのリアルさに、現実の向こう側にある幻想を浮き立たせ、伝統的なタッチで描かれているようで、洗練されたポップなスパイスも香り立つ。相反するこれらの要素の詩的な調合こそが彼の真骨頂なのかもしれないし、あるいは、これが実際に彼の目に映る情景なのだと言われても、どういうわけか頷ける。
  Alessandro Michele 率いる Gucci とのプロジェクトによって一躍名を馳せ、自由を謳歌するように世界中を移り住む彼だが、その実、新たな進化を求めて挑戦を続ける革新者だということは、彼のこれまでの経験と成果を目の当たりにすればわかるはずだ。