Kiki Kudo


Kiki Kudo


パターンを作っては壊して、自分の中での新世界に飛び込んだ感じがしています。





Kiki Kudo
Interview (2020)




執筆家としての活動以外にも近年はお料理や音楽など多方面で活躍されていますが、それは NY へ移ったことが影響しているのでしょうか?
絶対にそうだと思います。日本にいたくなかったこともありますが、執筆以外のことをやってみたかったし生活を変えたかった、それが NY に来たそもそもの理由なんです。日本では、仕事を変えたり、いくつも仕事を持ったりすると、「長続きしない人」などネガティヴな観点で見られがちで、風当たりが厳しい。例えば、「料理の仕事を始める」と言っても、「調理師免許は持っているの?」「どこのスクールを卒業したの?」と返ってくるので、なんとなく出鼻をくじかれてしまう。でも、 NY に来てからは「ファッションが好きなら音楽も好きでしょ」「 DJ できるなら音楽も作れるんじゃない」と興味を持ってくれる人が多いので、自分の可能性を実感できる気がします。
NY への移住だけでなく、パートナーの Brian Close さんとの出会いも大きかったのでは?
そうですね。 Brian と出会えたことはラッキーとしか言いようがないです。彼とは NY に来て 4 年目に出会って、私は DJ をやっていたとはいえ楽器もろくに触ったことがなかったし、音楽って特殊技能だとずっと思っていたんです。まさか自分ができるなんて思っていなかったけど、 Brian は「 DJ ができるならアレもできるだろ」「コレもやってみたら」と、いろいろと機材を貸してくれるうえに基本的な使い方まで教えてくれた。ミュージシャンの友人たちを「楽器が演奏できてすごいね」って憧れ目線で見ていたけど、 Brian のスタジオのジャムセッションに遊びに行くようになって、パーカッションやフルートを吹いたり、彼から渡された Korg の Electribe ER-1 を触り始めたら案外面白くて。「音楽ってなんて楽しいんだろう」という気にさせてくれたのは Brian だと思います。つか、ミュージシャンの友だちはこんなに楽しいことを教えてくれなかったんだ(笑)! 音楽は誰にでもあるものだと思います。
「Positive Messages」で公開した『Grand Street Milki』にも Brian さんは協力されていますよね。この「Positive Messages」への参加依頼は PAM からどのように声を掛けられたのですか?
Brian が PAM の PV を作ったりグラフィックデザインを提供していることもあって、普段から Misha や Shauna とは連絡を取り合っていて。ロックダウンに突入してからもお互いの様子をキャッチアップしていたら、その時のテキストが「Positive Message」として受け取ってもらえたようで、そのまま掲載されています。