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稲葉さんが手掛けた当時の『 +81 』誌面に影響や刺激を受けたデザイナーも多いと思いますが、自身で振り返るとどんな印象ですか?
今見ると恥ずかしくて仕方ないですね。全く良いとは思えない。当時の『 +81 』はかなりインディペンデントな雑誌で今ほど認識されていなかったし、大型の書店にぎりぎり並んでいる程度。それに当然 SNS なんてないし、E メールもさほど普及していない時代だから、世間の評判や読者の声なんて僕にはほとんど届いていなかった。編集部はオーナーの山下(悟) さんと編集の蜂賀さん、そしてデザイナーの僕という 3 人だけで、パソコンもモニターもプリンターも全て自前のものを持ち込んで、ひたすら作業して、編集部と自宅を往復するだけの日々。海外取材に同行させてもらった時は写真や映像も撮らされたし、出張代も自腹でデザインフィーが全て消えていく。だけど、今思うといいチームだったと思いますよ。






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