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Frank Bretschneider





この分野に未開の領域があるとすれば、それはどのような技術や表現だと思いますか。そして、今後どのような進化や発展を期待しますか?
私は機械やコンピュータを使った作業が好きです。自前のモジュラーシステムのモジュールの多くは、フラクタル反復、ベルヌーイやユークリッドリズム、チューリングやカオス関数といったランダムなアルゴリズムを使ってトリガーパターンや変調電圧を生みだします。これによって音楽を生き生きと、そして少し予測不可能なものにすることができます。AI とまではいかないですが、それに近いものがありますね。AI が音楽制作、ならびに芸術全般に入り込むことは間違いないでしょう。すでに現在、AI のアルゴリズムを用いた製品、特にソフトウェアSonibleiZotopeはたくさんありますしね。そのことで必ずしも音楽が良くなるとは限りませんし、若干の才能を持つ人が AI を活用しても、結果は平均的なものにとどまるでしょう。けれど、達人が AI を用いれば、見事な作品を作りだすと思います。
そして 200 年後には、手や機械、コンピュータなどのツールを使わずに、アーティストが自分のマインドから直接、クリエイティヴなヴィジョンを具現化できるようになるかもしれませんね。
あなたの音楽のフィールドは大衆向けのメインストリームではありませんが、共感しうる人に伝えるために作品制作において心がけていることはありますか?
特定のリスナーを意識することはありません。私の意識にあるのは、漠然としたアイデアと、自分自身で考え出した音楽的な法則や境界線です。とはいえ、私はポピュラーミュージックを聴いて育ったので、何が楽しいのか、何が音楽なのか、少なくとも最低限のコンセンサスは心得ていると思います。