Peter Sutherland
Nigh Magazine Issue 1
Interview 9
with





フォトグラファーそしてフィルマーとして本国のみならず日本にも広くファンを持つ Peter Sutherland の作品は、これまでも幾度となく目にしてきた。コマーシャルを多く手がけていた時期でさえ彼は、身近なものや関心のあるものを被写体の中心に据えてきたように思う。肩肘張らない彼のスタイルは鑑賞者を選ばず、近年日本で多用されている「盛る」「映え」という言葉とは見事に真逆で、クールでありながも徹底してリアルだ。その写真作品には彼の好奇心の矛先や思春期の頃からの感覚すら感じられて、親近感やノスタルジーのようなものを抱かせる。キャリアだけでなくコミュニティも長く培ってきた NYC をしばし離れた彼だが、届いたポートレートは柔和な表情で、思わずこちらも笑みがこぼれた。この数年注力しているというコラージュ作品はもとより、父親としての視点を持った彼の今後の創作にも期待したい。家族を捉えた彼の写真には温もりがあり、それでいて最高にクールだからだ。