Nigh Magazine
Issue 5
Issue 5
Afterwords
どこまでいっても自分は自分でしかない。例えば、自分が直感的にいいと思うものや、じんわりと素晴らしさを感じるもの、それが音楽であれグラフィックであれ何であっても、その時そう感じているのは自分の感覚に他ならない。遅まきながら自分でもその感覚の輪郭がうっすらわかってきたような気もするが、実際のそれは、更新されても刷新はされず、根本的にはさして変わることなく初めからずっとここにあるのだろう。それならいっそ、本有的なその感覚にはとことん正直でいたいと思う。
1 週間ほど前に OGRE YOU ASSHOLE のライヴへ行った。数年前に野外イベントでのライヴを 2 度ほど観ていて、その時の感触のままこの号の取材に臨んでしまったが、今回のライヴは私の想像を遥かに超えた、全く新しい次元のものだった。彼らは自分たちの感覚で思うがまま突き抜けていて、生音の渦でそこにしかない時空を創造していた。そこでようやく私は OGRE YOU ASSHOLE を本当に知ることができたのだろう。つまりは、どれほど知識や情報を有していても、自分でしっかり感じなければ、本当にそれを知ったことにはならないのだ。
インタビューにおいても同様で、いくら事前に予備知識を得て想定質問を用意しても、実際に取材をしてみなければ話の行く末など見通せるわけもなく、相手の回答の言葉ひとつで、こちらの質問や好奇心は新たにどんどん湧いてくる。話を聞きたかった人に取材できる貴重な機会なのだから、できるだけ相手のことを知りたいし感じ尽くしたくなる。そうした衝動が理由なのか、取材相手が権威あるアーティストや名うてのデザイナーだとしても、メソッドやテクニックにはさほど関心が向かず、私的な関心の矛先はもっぱらその人の成り立ちや感覚であり、さらに言えば、その人の “素” の部分だ。
「個人的な視点(Personal Perspective) 」 をテーマにした今号は、ファッションにまつわるクリエイティヴに触れてみたいという思いから始まった。一般的な雑誌で謳うファッションとはかなりかけ離れているが、私たちが素直に「その人の素の視点に触れてみたい」と思う方たちに取材を申し入れた。実を言えば、ファッションの分野を取材対象とすることに勝手な苦手意識を持っている。どことなく特権階級的な印象があるせいか、門外漢であることへの引け目なのか。しかし、ファッションというフィールドの中心で物づくりと向き合う彼らの視点はあくまでも純粋で、結局のところ、“素” の部分を突き合わせてみれば、分野やジャンルは関係ないのだとはっきりとわかった。
どのみちきっとそういうふうにしかできないけれど、これから先も私たちのありのままの感覚と視点で『Nigh』を作っていきたいと思う。
1 週間ほど前に OGRE YOU ASSHOLE のライヴへ行った。数年前に野外イベントでのライヴを 2 度ほど観ていて、その時の感触のままこの号の取材に臨んでしまったが、今回のライヴは私の想像を遥かに超えた、全く新しい次元のものだった。彼らは自分たちの感覚で思うがまま突き抜けていて、生音の渦でそこにしかない時空を創造していた。そこでようやく私は OGRE YOU ASSHOLE を本当に知ることができたのだろう。つまりは、どれほど知識や情報を有していても、自分でしっかり感じなければ、本当にそれを知ったことにはならないのだ。
インタビューにおいても同様で、いくら事前に予備知識を得て想定質問を用意しても、実際に取材をしてみなければ話の行く末など見通せるわけもなく、相手の回答の言葉ひとつで、こちらの質問や好奇心は新たにどんどん湧いてくる。話を聞きたかった人に取材できる貴重な機会なのだから、できるだけ相手のことを知りたいし感じ尽くしたくなる。そうした衝動が理由なのか、取材相手が権威あるアーティストや名うてのデザイナーだとしても、メソッドやテクニックにはさほど関心が向かず、私的な関心の矛先はもっぱらその人の成り立ちや感覚であり、さらに言えば、その人の “素” の部分だ。
「個人的な視点
どのみちきっとそういうふうにしかできないけれど、これから先も私たちのありのままの感覚と視点で『Nigh』を作っていきたいと思う。
Nigh Magazine
Nahoko Mori
Nahoko Mori
Credits
Personal Perspective
Editor in Chief, Interview and Text
Nahoko Mori
Art Direction and Design
Kamikene (Hatos, Normalization)
Marketing Direction
Chikako Ibe
Translation to English
Luke Baker
Lauren Blythe
Translation to Japanese:
Nahoko Mori
Special Thanks to
Yoshiaki Fujimori (GB Inc.)
Kazuko Howlin (Nicholas Daley)
Platform:
Cargo Collective
Publisher:
Nigh Magazine
Contact
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