Emma Kohlmann
Nigh Magazine Issue 1
Interview 8
with

Photo by Alexander Rotondo
近年注目すべきアーティストの一人として必ず名前が挙がるのが、 Emma Kohlmann。エキゾチックな雰囲気を纏い、クセのある服すら自在に着こなす独自のスタイルも魅力的で、そんな彼女をメディアや SNS で目にした読者も少なくないはずだ。性別やセックスの既存の価値観に疑問を呈する抽象的な肉体描写がよく知られる彼女の作品は、滲んだ墨のライン、鮮やかな水彩絵具の色彩と、ポップであるにもかかわらず憂いや哀愁のようなものが漂い、一目でずしりと感じるものがあって、胸の奥にゆったりと波紋を広げる。そんな彼女が「Positive Messages」に寄せたのは、日本でも『ゲド戦記』の作者として知られる Ursula K. Le Guin によるコラム『The Carrier Bag Theory of Fiction』と、その著作に関連したアートワークだ。彼女の作品の余韻を持ってコラムを読み返すと解釈がより鮮明になり、コラムを読んでから彼女の作品を見直すと心象に変化が生じて、ある種の相互作用が味わえる。