| English | Japanese |
News & Notes
Nigh Magazine
2025.5.16 update


Koshiro
Kihara’s

New

Solo Show



“The Allegory of Beginnings”:
Painting the Landscape Before It Had a Name








木原幸志郎の個展「はじまりの寓話」が ARTDYNE にて 6 月 1 日まで開催中。粘土や絵具といった素材から立ち上がる  “最初の風景”  を描く最新作を展示






具象と抽象という、たえず揺れ動く曖昧な境界に身を置きながら、絵画を通じてその視点を映し出してきた画家、木原幸志郎。 3 回目となる個展「はじまりの寓話」が、東京・日本橋のギャラリー ARTDYNE にて、 6 月 1 日まで開催されている。

『Nigh Issue 8』でのインタビューからも伺えるように、木原にとって風景とは、自然の再現ではなく、構造や配列として捉え直す対象でもある。今回の個展にもその彼のまなざしは静かに息づいており、粘土や絵具といった素材が、光や影を伴いながら  “風景”  へと変容していく様が描きだされている。

本展では、「名前を持たない最初の風景」への探究のなかで生まれた新作群を展示。 Issue 8 に掲載された過去作品とも地続きにありながら、絵画というメディアを通じて、記憶や風景の  “はじまり”  を問い直す試みが、より明確なかたちで浮かび上がっている。

世界がまだ言語に分解されていなかった頃の、色と形の手触りに立ち返るような絵画体験が広がるはずだ。ぜひ会場で、木原が描き出す  “はじまり”  の気配を、直に感じてみてほしい。





Artist Statement






モチーフになっているのは、粘土や絵具そのものです。しかし、木々に陽が差し、影が生まれ、風景になるのと同じように、私が描くモチーフも自然の摂理に則った、いわば風景であり、そこには光や重力、空気が存在しています。

私は、その粘土と絵具で作られた風景を四角く切り取ります。そうしてできた絵は、不意に記憶と結び付き、見慣れた何かを想起させます。そして同時に、自分の知っている何かが、まるで本当の姿へと還ったかのようにも見えます。

私は、そんな、まだ名前がつく前の、色と形だったころの最初の風景を描きたいのだと思います。


木原幸志郎








Overview

木原幸志郎 個展「はじまりの寓話」

会  期:2025年 5 月10日〜 6 月 1 日日)
営業時間:12時~19時(月・火・水 休廊)
会  場:ARTDYNE
     東京都中央区日本橋茅場町 1-1-6 小浦第一ビル 2F
     www.art-dyne.com 









Map



All images © of their respective owners.


Advertisement