| English | Japanese |

 
Nigh

Other Daily Articles























Update: 28th Oct. 2024


The open-air party
“Bonna Pot”
returns after two years,
taking place at Auto Camp Ginga in Nishi-Izu.





 
オープンエアパーティ「Bonna Pot」が11月 8 日(金) から10日 (日) の 2 夜連続のオールナイトで、西伊豆のオートキャンプ銀河で開催される。

2022年11月の夜、Powder の 5 時間に及ぶロングセットを目当てに向かったのが、私にとって初めての「Bonna Pot」だ。会場となった川崎のちどり公園は他のパーティでも何度か訪れていた馴染みの場所だったが、その時はエントランスを入った瞬間から別世界のように思えて、「これまでのパーティとは何かが違う」という直感はフロアに続く道を進んでいくうちに確信へと変わっていった。集客数の多さを目的にしていないことは明らかで、そのぶんそこに来場した共感者たちをとても大切にしているムードがあって、より本質的なところを目指しているように感じられた。だからこそ生まれる居心地の良さ、ゆったりと自由なフィーリング、ライティングは最小限に落とされて無駄なものは目に入らないほど薄暗く幻想的だった。こだわり抜かれた Taguchi のスピーカーで囲むように設置されたダンスフロアは、生の感触と品を有した良質な音にまるごと包まれるような音響空間。そこで Powder の紡ぐストーリーに浸ってふわりふわりと踊りながら「いいパーティだなぁ」と何度も思った。あの雰囲気はすごく特別でずっと忘れられずにいた。




Bonna Pot 2022
at Chidori Park, Kawasaki
Photo: Nahoko Mori  (Nigh)
 
Bonna Pot 2022
at Chidori Park, Kawasaki
 
Video quoted from @bonnapot_nusic
 



そんな「Bonna Pot」が2年ぶりに、そして会場を 3 年ぶりに西伊豆のキャンプ場に戻して開催される。しかも前回は使用許可が下りなかった一番美しい森の中、空が開けた芝生サイトがダンスフロアになるという。「サウンドシステムは前回以上に細部に至るまで磨きをかけ、この 2 年間で検証とアップデートを繰り返した、最先端のハイエンド機器とオリジナルで組んだ唯一無二の仕様です。しっとりとしたパワフルな低域の質感と、滑らかさと繊細さが同居し、聴覚を可視化するような立体感と表現力で楽曲制作者の細部に渡る意図/意思を再生します。とろけるような快楽性と浄化性、感覚のより深いところまで到達するサウンドを目指します」。こんな文言を読むだけで、どれほどの音響空間を体感できるのかと心が高鳴ってくる。  “とろけるような快楽性”  なんてものは是が非でも味わってみたいではないか。

出演はメルボルンのエキスペリメンタルデュオ CS + Kreme、ベルリンからの初来日でモジュラーライヴを披露する O/Y、サンパウロのアート集団 VOODOOHOPThomash、「rural」や「Paramount」での好演で日本のテクノシーンでも人気を集める Sunju Hargun、デトロイトの伝説的なパーティ「No Way Back」の Outer Space Room でクロージングレジデントを務める Scott Zacharias など、海外から 7 アーティストが参加。さらに、David MancusoTHE LOFT でプレイしていた経歴を持つ Toshio “BING” Kajiwaraボアダムスの ∈Y∋ などの国内勢を含め、総勢16組が前述の最上音質なサウンドシステムで奏でる。初来日のアーティストも複数いるため初めて聞く名前もあるが、主催者がそのプレイを生で感じたうえで「Bonna Pot で一緒にやりたい」と切望した顔ぶれのみが揃うので、信頼して未知なる音楽体験を堪能したい。







「Bonna Pot では出来る限り最低限のルール設定の中で、その場にいる人それぞれの思慮のもとに秩序が保たれているのが理想」という2022年の開催時同様、今回も芸術作品や装飾などの持ち込みは自由、会場内での披露や販売も可能。知名度に惑わされないアーティストのキュレーションや独自のフロア設計、音響の飽くなき探求はもとより、こうしたところからも彼らが理想とするパーティの姿が汲み取れる。

野外パーティに求めるものは何か。音楽好きな仲間と集う楽しさ、気兼ねなく踊りまくる解放感、自然の中で心身が音楽に満たされる充実感……。人それぞれ多様にあるだろうが、どんなパーティでもいいというわけではない。主催側がどんなパーティを目指しているのか、どんな人と共鳴し、どんな音楽空間を共に創り上げたいのか。そこに共感できるパーティこそがマストで、私にとって「Bonna Pot」はそんな野外パーティのひとつだ。惹かれるものを感じた方は迷わず「Bonna Pot」にぜひ!





会場: オートキャンプ銀河
 

NUSIC & HIRANYA ACCESS present
BONNA POT

︎: @bonnapot_nusic
︎: @Bonna_Pot
︎: soundcloud.com/bonnapot

日  程:2024年11月 8 日 (金) 〜 10日 (日)
     開場14時
会  場:オートキャンプ銀河
     www.ac-ginga.com
     静岡県加茂郡西伊豆町一色八の段 1986—1
チケット:bonnapot.zaiko.io/e/bonnapot24

出演アーティスト:
Abiu
AKIRAM EN
ALICIA CARRERA
An-i
CHIDA
CS + Kreme < LIVE >
∈Y∋
鏡民
nø¡R
O/Y < LIVE >
Scott Zacharias
Shhhhh
Sunju Hargun
THOMASH < LIVE&DJ HYBRID >
Toshio “BING” Kajiwara
7e

Sound Space:
HIRANYA ACCESS

Speaker System:
TAGUCHI

Lighting, Deco & Structure : 
Hikariasobi Club
密林東京
RGB
SHINOBU HASHIMOTO
Stretch Tent Company
and more


Nigh Issue 1
Interview with ∈Y∋




All images © of their respective owners.





Advertisement