P.A.M.




この数年で SNS が瞬く間に普及しましたが、 SNS に抱く可能性や懸念点について聞かせてください。
Misha:すごくラッキーなことに、今までに一度も Facebook にサインアップしたことが無いんだ。そのせいで何かを見逃していたとしても、それは単なる“情報”にすぎない。もしも僕らが生きているのが「情報化時代information age」であるなら、あまり興味が持てないし、自分の人生は “感覚” に基づいたものであってほしい。 SNS にも感覚的なものはあるだろうけど、それは必ずしも良いものではなし、やっぱり僕は現実世界のほうが好きだね。
コレクションを制作する際は自身のこれまでの経験や感覚がソースになると思うのですが、それを服作りに落とし込む際に最も重視していることは何ですか?
Shauna:表情と語らいのあるものを制作しようと心がけています。また、それらが商品として存在する理由があるかどうかを慎重に考えます。すでに存在するものや作られる理由のないものは作りたくありません。私たちのコミュニティに何かを伝えたり共有できるものを作っていきたいと思っています。
Misha:今、僕らは皆、自分の立場を考慮することを余儀なくされている。何かを作るということは資源とエネルギーと時間を費やすことに繋がる。だからこそ、今は何を作るにしても、それが存在すべききちんとした理由が必要だと感じている。メッセージを伝えるものか、地球やコミュニティにポジティヴな要素をもたらすものか、そうしたことが僕らのデザイン制作の中核を成しているんだ。
自身ではどんな服が好きですか? PAM 以外の服を買う際の動機や基準を教えてください。
Misha:寒さにはウール、雨だったら Goretex などのハイテク素材、フットウェアには快適さと機能性を求めるし、明確な目的のある服が好きだね。自転車に乗ることが多いから活動しやすい服がワードローブの中心になっているよ。
Shauna:私は友だちの作った服を着るのが好き。そうした服からは人のエネルギーを感じることができるから。作り手がわからない服であっても気持ちの込もったものが好きですね。
では、 PAM のファンは何に魅力を感じているのだと思いますか?
Shauna:私たちを含めた皆が関心を抱く情報の共有を意図する、包括的なブランドとして魅力を感じてくれていたら嬉しいです。そういう意味でも PAM は決してメインストリームになることのない、オルタナティヴなブランドだと思います。
 SS21 のコレクションについて伺います。パンデミックの状況下で制作したコレクションだと思いますが、NU/AGE」というテーマに込められた思いを聞かせてください。
Misha:  PAM は常に新しい手段や方向性の先端にあると感じているし、僕らはいつだって冒険に出る準備ができているんだ。2020年は本当に新たな冒険が巻き起こって、これまでの人生で味わったことのないような状況に世界は置かれている。未知の領域への一歩を踏み出したんだ。僕らはこの挑戦を受け入れるだけでなく歓迎するよ。