Nigh Magazine
Issue 1
Issue 1
Afterword
かれこれ15年も前の話になるが、私がある雑誌の副編集長に就いて初めて特集を任された号で、表紙のアートワークを手がけてくれたのがP.A.M.だった。クリエイターたちのネットワークに着目したその号では当初「カルチャーシーンとクリエイティヴシーンのクロスオーバー」を探っていたのだが、取材準備を進めるうちに、私たちが探るべきは “シーン” ではなく、シーン化されるよりもっと前段階にあるものだと気づいた。もっと原点に近いもの、つまりはアーティスト同士が出会い、才能や考えを認め合って築かれる人間的な繋がり。また、その繋がりの根底にあるお互いの引力や、刺激し合うことで生まれる新たな可能性なのではないかと。そこでの気づきは編集者としての自分に大きな影響を与えたし、それは図らずも「流行に敏感であるよりも人や物事の芯に触れたい」という本誌『Nigh Magazine』の編集テーマにも繋がっている。
当時からP.A.M.は自分たちが素晴らしいと感じる才能に対して敏感であり寛容だった。そして「惹かれ合うこと」「学び合うこと」「分かち合うこと」をとても大切にしていた。だからこそ、あの時の特集で彼らに表紙を依頼したのだ。P.A.M.のそうした姿勢は今でも全く揺らいでおらず、彼らの引力は変わらないどころかより強靭なものになっている。
昨年の春、誰しもが不安や焦燥を抱えて世界中が悶々としていた時期に、さらに聞いた話では、Misha と Shauna 自身もロックダウンを受けて当時暮らしていたパリを離れて急遽メルボルンに戻らざるを得なかったという、そんな状況の中で、「ポジティヴなメッセージを共有しよう」というシンプルで愛のあるコンセプトを思い立ち、すぐさま行動へ移した 2 人に、その純粋さから生まれる強さを改めて痛感させられた。また、P.A.M.とコミュニティの間に以前から続く駆け引きのない正直な繋がりがあってこそ実現できたことなのだろうと、取材を終えた今は確信している。
パンデミック下という特殊な時期に、この 9 組のアーティストに取材できたことには大きな意義があったと私は思う。通常であれば聞かないような内容にまで質問は及び、彼らの回答にもまた特別な思いが込められ、この時だからこそ生まれた言葉があるように受け取れたからだ。インタビューの言葉は、語る人の思考や意識や見聞といった泉から丁寧に汲み上げられた生き物のようだと常々感じている。今回ここで語られた彼らの言葉が、瑞々しい生き物として読んでくれる方々の感じる心へ届き、示唆を与えてくれたならとても嬉しい。
最後に、多忙を極める中で取材に応じてくれたP.A.M.の Misha と Shauna、アーティストの皆さん、そして、ご協力くださった全ての方々へ心の底からの感謝を伝えたい。どうもありがとうございました。そして、今後とも『Nigh Magazine』をよろしくお願いいたします。
Nigh Magazine
Nahoko Mori
当時からP.A.M.は自分たちが素晴らしいと感じる才能に対して敏感であり寛容だった。そして「惹かれ合うこと」「学び合うこと」「分かち合うこと」をとても大切にしていた。だからこそ、あの時の特集で彼らに表紙を依頼したのだ。P.A.M.のそうした姿勢は今でも全く揺らいでおらず、彼らの引力は変わらないどころかより強靭なものになっている。
昨年の春、誰しもが不安や焦燥を抱えて世界中が悶々としていた時期に、さらに聞いた話では、Misha と Shauna 自身もロックダウンを受けて当時暮らしていたパリを離れて急遽メルボルンに戻らざるを得なかったという、そんな状況の中で、「ポジティヴなメッセージを共有しよう」というシンプルで愛のあるコンセプトを思い立ち、すぐさま行動へ移した 2 人に、その純粋さから生まれる強さを改めて痛感させられた。また、P.A.M.とコミュニティの間に以前から続く駆け引きのない正直な繋がりがあってこそ実現できたことなのだろうと、取材を終えた今は確信している。
パンデミック下という特殊な時期に、この 9 組のアーティストに取材できたことには大きな意義があったと私は思う。通常であれば聞かないような内容にまで質問は及び、彼らの回答にもまた特別な思いが込められ、この時だからこそ生まれた言葉があるように受け取れたからだ。インタビューの言葉は、語る人の思考や意識や見聞といった泉から丁寧に汲み上げられた生き物のようだと常々感じている。今回ここで語られた彼らの言葉が、瑞々しい生き物として読んでくれる方々の感じる心へ届き、示唆を与えてくれたならとても嬉しい。
最後に、多忙を極める中で取材に応じてくれたP.A.M.の Misha と Shauna、アーティストの皆さん、そして、ご協力くださった全ての方々へ心の底からの感謝を伝えたい。どうもありがとうございました。そして、今後とも『Nigh Magazine』をよろしくお願いいたします。
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Nahoko Mori
Credits
The Dawn of a New Age via Positive Messages
Editor in Chief, Interview and Text:
Nahoko Mori @nahoko.mori_editor
Art direction, Design, Cover/title videos
and Front-end web development:
Kamikene (Hatos, Normalization) @kamikene_
Marketing Direction:
Chikako Ibe (Comcode inc.) chika@nigh.jp
Translation:
to English: Lauren Blythe (Comcode inc.) @lblyhana
to Japanese: Nahoko Mori
Special Thanks to:
Haruka Hirata (Big Love Records) @haruka_biglove
Warran Wright (Parks and Mini) @perksandmini
Yuzo Nagahara (Comcode inc.)
Platform:
Cargo Collective cargo.site
Publisher:
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